遊び方と働き方(仕事)がつながっている感覚ってありますか?
私は、ここ数年でものすごーく感じています。
子どものアトリエの他に、人材育成研修やマネジメント研修、就職支援のトレーナーとして20年間活動しています。
平成の中頃までは、ビシバシのノウハウ指導に徹していました。
その方法というのは、やり方を示す、覚えてもらう、実践できるまでひたすら繰り返すという自分が受けてきた昭和の教育をだいぶ引きずった指導です。
講師も生徒も、疑問を持つことなく「なぜ」を考えることもなく、「テキストどおり・言われたとおり」にできることが良いことと信じていました。
でも、だんだん不安になってきたんです。
ある時、就職面接から帰ってきた学生さんが「面接会場に入ろうと思ったらドアが開けっぱなしになっていて大変だった」と泣きそうになっていました。
その場をどうしたのか聞くと、ドアがあるであろう空中をノックして、パントマイムみたいな動きをしてから入室した…と言うんです。
ガーン、、、うそでしょ、、、
「だって、ずっとその練習してたじゃないですか」
ガーーーン、、、いや、ハイ、確かにそうです、、、
私は、プログラム通りに動くことしかできないロボットを生み出してしまったと、大大大反省。
時代は「多様性、オンリーワン、個性、やりたいこと、夢を実現、自分らしく」という言葉が実体がないまま溢れていて、すごいスピードで未体験ゾーン(学力や知識やノウハウだけでは足りない何か)に突入していくときでした。
このままじゃダメだ、全然違う角度からアプローチしないと…と焦り、たくさん悩んだり情報収集したりして…
その時から大人中心の活動だけでなく「遊ぶことを大切にする子どものアトリエ」を並行してやっていくことを決めました。誰にも背中を押されず何の確信もないままのスタートです。
今までと変わらず必要な「情報を処理する力」
仕事をするときは、上司の指示を理解したり、技術を高めたり、正解を求めたりする「情報処理能力」が必要です。だから学校のお勉強はおろそかにできません。
でも、それだけだと答えのないものに立ち向かえないことになります。柔軟性や問題解決、臨機応変さピンチをチャンスに…のようなことです。
これからの時代に必要な「未開の地に踏み込む力」
「情報処理能力」(学力)のほかに求められているのは「未開の地に踏み込む力」だと思うんです。未開の地ですから、道もなければ足跡もない、後ろを見ても誰もいない…そんな場所(場面)。
道なき道を、考えながら進む、エラーを繰り返しながら進んでいく力です。
教科書にも書かれていないネットにも情報がない未開の地に足を踏み入れるなんて、怖いですね、不安ですね、わが子には「やめたほうがいい」って言いたくなりますね。
ところが、
ある時期に誰でも「未開の地に踏み込む力」を身に付けることができます。
それが、つの付く年齢(ひとつ、ふたつ、みっつ…ここのつ)の遊び体験です。
遊びに答えはありませんし、やり方もありません。何も言わなくてもちゃんと遊べるのが子どもです。何を使ってどんな遊び方をするかは、その子次第で無限に広がります。
子どもが口にしたら要注意のワードその1「どうやって遊ぶの」
「どうやって遊ぶの」という言葉がでるとき、大人が作った遊び方(おもちゃ、ゲーム、ルール作り)があるはずなので、今、本当にそれが必要かどうか考えてみてください。
子どもが口にしたら要注意のワードその2「何して遊べばいいの」
「何して遊べばいいの」という言葉がでるとき、普段大人が先導して誘導して遊ばせることが多くないですか。自分で考える時間を奪っていないか振り返ってみてください。
親も知らない子どもの能力を引き出すコツ
「未開の地に踏み込む力」を身に付けるためのちょっとしたコツをお伝えします。
○遊んでばっかりの時間を作ること(無制限は✕)
○成功に導びかないくてよいと腹をくくること
○ワケの分からないもののワケを知ろうとしないこと
○紙のきれっぱしでもゴミと決めつけないこと(「このお宝どうする?」って確認します)
○待つ勇気をもつこと(迷ったら待つ)
過去にロボット人間を生み出してしまった私自身、「遊ぶだけのアトリエをスタートする」という未開の地に足を踏み入れたんだと思います。
当然、自分が今やっていることの「これが正解」って確認できる教科書やネット情報はありません。
だけど「未開の地」と思えば、「遊ぶだけでしょ? 絵の具べろべろーって意味あるの? ビリビリしちゃってるけど?」なーんて言われても、平気平気。これまで一度も辞めようと思ったことはないんです。
前にも後ろにも人がいないことは「素晴らしく良いこと」と自信をもってお伝えしたいです!
遊び方と働き方(仕事)の両方で模索しなから活動する私から、子どもに関わっている方、子育て中のパパ・ママへ「遊び方と働き方がつながる時代」のお話しでした。
分かりやすくてオススメの本
『10年後、君に仕事はあるのか?』(藤原和博著)子育て世代も部下育成している方も、コレとても良いですよ。
出版されてから数年経っている今だからこそ、納得することが多いです。
子どもの将来について漠然と不安に思っている方、民間人校長で有名な藤原和博さんの著書、どれも分かりやすくてオススメです。
///子どもアート療法士のblog///
アトリエの様子はInstagramに載せていますので、ご覧ください。
毎週90分、たっぷりアトリエ時間を過ごしたいときは「木曜定期コース」・「日曜定期コース」がオススメです。
アートワークショップは、アート遊びを気軽に楽しめます。
やってもいいし、やらなくてもいい
マネしていいし、マネしなくてもいい
できてもいいし、できなくてもいい
ねぇ、キミはどうしたい?
岩手・北上で開催中「つの子のアトリエ」です。